口臭や体臭が気になる日本人
口臭・体臭が気になる現代人
不況の長引く現在も、「デオドラント・グッズ」の売れ行きは依然好調のようです。「抗菌加工製品」の販売額も増加の一途をたどり、ついに抗菌防臭の野球グラブまで発売されたと聞きます。スポーツをして汗臭くなるのは当然のことなのに、そうしたシーンでさえ、汗臭くなることを拒否しようというわけです。
通産省が「抗菌加工製品ガイドライン」を作るために行ったアンケート調査に基づくものですが、これによると、「自分の口臭・体臭を常に気にしている」人は42%にのぼり、なんと、すぐ上の項目の「太りすぎないよう食事には気をつかっている」人(38%)より多いことに驚かされます。
このように、現代人は清潔好きであり、「清潔であるか否か」が他人の価値を左右する重要なファクターとなっているのです。現代人が体臭や口臭を気にするのは、臭い=汚い、というぐあいに、それが不潔さのイメージに結びつきかねないからでしょう。
生活臭が消えるにつれ、かえってニオイが気になりだした
ニオイを気にするようになったのは、日本の社会から、いわゆる「生活臭」が薄れてきたためではないでしょうか。たとえば、くみとりトイレのニオイです。くみとりトイレといっても、若い人はほとんど知らないと思いますが、あの独得の目にしみるような刺激臭は、水洗トイレの普及にともない、私たちの生活から消えていきました。
夕暮れ時に、近所の家々から漂ってきた夕げのニオイも同様です。窓を開け放った家が減り、密室性の高い集合住宅が増えるにつれ、家々から漂っていた夕げのニオイも失われつつあります。今や、アパートなど集合住宅では、魚を焼くニオイが近所迷惑になるといいますし、焼肉店では肉を焼くニオイが服や髪の毛に付かないよう、無煙ロースターを導入するようになってきています。
最近では、ニンニク臭のないギョウザや無臭納豆などの商品も登場し、それぞれヒットしているようです。生活臭が姿を消しつつある今、口臭を気にして、食べ物のニオイまで消していこうということでしょうか。かえって、ニオイに過敏に反応する傾向に、ますます拍車がかかるのではと思うのですが。
口臭・体臭=不快のイメージ
人間のニオイも、高度成長期以前は、体臭や口臭を放っている人が多かったでしょう。内風呂がほとんど普及していなかった当時は、今のように頻繁にシャワーを浴びることもなく、当然、朝シャンなどの洗髪習慣も、洗口剤などで口をグチュグチュうがいする習慣もみられなかったでしょうから。
しかし、体臭や口臭を放つ人が多くいたからこそ、生活臭や体臭は人々の暮らしの中に自然に溶け込んでいて、それが特別、不快な
対象にならなかったのです。
一方、現代人、とくに若い人たちは、生活1 が街中に満ちていた、そうした時代を知りません。「ニオイのない時代」 に生まれ育った
彼らが、生活臭や体臭をきらうようになるのも、無理からぬことといえるでしょう。
しかし、そのような彼らであるがゆえに、思春期を迎え、汗腺の活動が盛んになり、自分のニオイを感じはじめたとき、自分の体臭を忌むべきもの、他人にかがれたら恥ずかしいものと受け止めてしまうのです。
若い人ばかりではありません。仕事をする上で90%以上のビジネスマンが「口臭が気になる」といいます。しかも、口臭対策をする理由の第1位は、つ仕事関係の人に不快感を与えたくない」。口臭=不快感、というイメージがしつかり定着しています。他にも、[業務内容以外でマイナス要因を作りたくない]、「仕事を円滑に進めたいから」 など、口臭が明らかにマイナス要素であることを示しています。
しかし、体臭や口臭をむやみに消してしまうのは、病気のサインや体調の変化を知るすべを失うことにもなりかねません。たとえば、
腐った卵のような口臭があるときは、胃炎や胃潰瘍など胃腸の病気が隠れている場合もあるのです「ニオイでわかる病気のサイン」
。また、月経周期に応じて体臭の強さが違ってくることは、女性の多くが感じていることでしょう。いつもの自分のニオイを知っていれば、体の変調や病気を、体臭や口臭の変化で気づくこともできるのです。
体臭や口臭についての正しい知識を身に付け、適切な治療と健康的なケアの方法で心地よいニオイを感じる暮らしを見つけましょう。
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体臭の悩みは人間関係から生じる場合がほとんどです。そのため、解決も、「人との間」で行われなければなりません。ひとりで悩んでいないで、心身両面の専門家に相談することをぜひおすすめします。 - 体臭恐怖という心の病
「自分が周囲の人に不快感を与えている」という妄想なのです。この妄想は知人相手でも見知らぬ相手に対しても、しばしば起こります。